ホームセンターなどで販売されている一般的な塗料は溶剤に顔料が溶け込んでおり、塗装後溶剤が揮発して塗膜が形成されます。これに対して顔料を直接金属に吹き付けるのが粉体塗装です。顔料の他に硬化剤や添加剤、フィラーなどが必要に応じて配合されます。「パウダーコーティング」とも呼ばれるように、塗るというより細かい粒子で金属をコーティングするといったイメージです。
粉がどうして金属にくっつくのかというと、それは静電気の力です。被塗物はアースされプラスの電気を帯びています。
そこにマイナスの電気を与えられた粉体の塗料がくっつきます。その後オーブンで加熱(焼き付け)されて均一な塗膜が形成されます。
粉体塗装はガードレールやスチール家具、自動車部品、エクステリア用品等、過酷な使用状況の塗装に多く利用されています。強くてしなやかな塗膜に加えて有機溶剤を使用していないことから人体にも環境にも優しい塗料といえます。